Google Workspaceを使って、スタッフ個人のメールアドレスを、会社管理のメールアドレスへ移行する

Greenlap合同会社 代表

楠本 輝也

先日、とある会社様から「今までスタッフに個人メールアドレスを使わせていたが、会社管理のメールアドレスに切り替えたい」とのご相談を受けました。

一般的に、組織が少人数であってもメールは会社で管理すべきと考えます。理由は下記です。

  • 辞めたスタッフの受信トレイにメールが残ってしまう
  • 新しく入るスタッフのメールアカウントの作成や引き継ぎが手間
  • メールでのやりとりを会社が監督できず、情報漏洩のリスクがある

さて、メールを会社で一元管理する手段として、最近はGoogle Workspace(旧:G Suite)が人気かと思います。

しかし、Google Workspaceの導入にあたり「既存のメールを移行できるのか」という疑問を抱く方が多いようです。

そこで本記事では、Google Workspaceに既存のメールを移行した際の作業内容を共有します。

Google Workspaceでデータ移行サービスを開く

Google Workspaceへの登録がまだお済みでない場合は、こちらから登録しましょう。

まず、Google Workspaceの管理コンソールにログインします。

画面左のメニューで「アカウント」→「データの移行」をクリックします。

次に、具体的な移行元の情報を入力します。
「移行元を選択」で、Gmailからの移行であれば「Gmail」を、Yahoo!やiCloud、その他ウェブメールであれば「その他のIMAPサーバー」を選択します。

移行元で「その他のIMAPサーバー」を選択した場合

移行元がGmailの場合、移行作業の多くは自動で行われるので比較的簡単です。一方、Yahoo!メールやその他のウェブメールサービスからの移行は、少し手順が複雑になります。

具体的に説明すると、Google WorkspaceがYahoo!メールなどの移行元メールサービスにログインし、過去のメールデータを取得するために、以下の情報を入力する必要があります。

  • メールサーバーのURL(IMAPサーバーのアドレス)
  • メールアカウントのログイン情報(メールアドレスとパスワード)

これらの情報を正確に入力することで、Google Workspaceは移行元のメールサービスに接続し、メールデータを新しい環境に移行することができます。

入力する情報がわからない場合は、移行元のメールサービスのヘルプページを参照するか、サポートに問い合わせることをおすすめします。

接続プロトコル

まずは「自動選択(推奨)」を選択しましょう。
移行元のメールサーバーのURLを、Google Workspaceが推測してくれます。

ただし、後でデータ移行を開始した際に「指定したURLは無効です。」というエラーが出ることがあります。
その場合は、Google Workspaceが推測したURLが間違いだったということになるので、「IMAP」を選択した上でご自身で「IMAPサーバーアドレス」を入力することになります。

IMAPサーバーアドレスは、例えばさくらのレンタルサーバーであれば「www1234.sakura.ne.jp」など、サービス名を含んだURLであるケースが多いです。
一方、「imap」という単語は必ずしもURLに含まれているわけではありません。

不明な場合は、ウェブメールの事業者に問い合わせていただければと思います。

ロールアカウント

「接続プロトコル」で、移行元のメールサーバーへのURL情報を入力したら、次はそのログイン情報(メールアドレスとパスワード)をここで入力します。

「ユーザー名」とありますが、ここでは多くの場合、移行元のメールアドレスを入力します。

「パスワード」は、Yahoo!やiCloud、ウェブメールのパスワードを入力してください。
ただし、ウェブメールによっては、パスワードが発行されていないケースもあるため、その場合はご自身で新たなパスワードをウェブメールの管理画面、管理コンソールから発行しましょう。

ここまで入力し終えたら「開始」ボタンをクリックします。
接続プロトコル(移行元のURL)とロールアカウント(移行元のメールアドレスとパスワード)が正しければ、データの移行が開始されるはずです。

移行に関する留意点

Google Workspaceへのメール移行を進める際、以下の点を理解しておくと円滑に進めることができます。

移行の所要時間は数時間程度(ただし、同時並行で進められる)

一人あたりの移行作業の所要時間は、移行するメールの量によって変わります。

少量であれば1時間程度で完了しますが、数千通ある場合は6時間から半日程度見込む必要があります。

ただし、Google Workspaceでは複数ユーザーのメール移行を同時並行で実行できるため、全社的な移行を効率的に進められます。

メールを移行できるのは管理者のみ

メールの移行作業は、Google Workspaceの管理者のみが実行できます。

Google Workspaceに招待されたスタッフ自身が移行を行うことはできません。

私自身、各スタッフに作業をお願いしたほうが楽だと思いGoogleに問い合わせたのですが、できないとの回答でした。

重複インポートの心配は不要

メールの移行を繰り返し実行しても、同じメールが重複してインポートされる心配はありません。

Google Workspaceには、移行済みのメールを識別し、重複インポートを防ぐ仕組みが備わっています。

まとめ

本記事では、既存のメールをGoogle Workspaceにインポートする手順をご紹介しました。

移行元がGmailの場合は比較的簡単ですが、Yahoo!メールやその他のウェブメールサービスからの移行は、IMAPサーバーのアドレスやログイン情報の入力が必要など、操作が少し増えます。

もしも、Google Workspaceへの移行や活用でお困りでしたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。